芦屋ロックガーデン「テクノヶ丘」会場にひょうたん!
by 丸黄うりほ
「テクノヶ丘」は、芦屋市奥山にある旅館「大悲閣」を一棟まるごと借り切って、夕方から翌日の朝までおこなわれるパーティです。テクノ音楽界隈の人気アーティストやDJが多数出演するだけでなく、神戸や阪神間のワインバーやスイーツ、本格的なフードのお店などが多数出店。大勢のお客さまがやってきて毎回盛り上がる、本当に素晴らしいイベントなのです。かつては「ヒョウタン総合研究所」や「オール電化ひょうたん」でも出演させていただいたことがあり、私自身も掛け替えのない思い出がいっぱい。
第15回目となる今回は、「大悲閣」だけでなく、芦屋ロックガーデンの登山口にある山小屋「大谷茶屋」にまで会場を広げて行われました。「大谷茶屋」のすぐ近くには「高座の滝」があり、その横には護摩堂があります。昔は修行場だったというだけあって、神秘的な雰囲気。かなり古びていた「大谷茶屋」は「テクノヶ丘」のスタッフが今回のイベントのために改装されたそうです。壁をめくってむき出しになった花崗岩が迫力満点で、かっこいい!
このイベント全体に漂う「異次元な空気感」は、やはりその会場の立地に依るところが大きいと改めて感じます。
さてさて、そんな中で出演したアーティストの1組が「sleep slept slept」でした。「聴いてると寝てしまう音楽」をコンセプトに、箏2面と笙という和楽器で編成。箏のお一人は、「ヒョウタン総合研究所」のメンバーであり、ヒョータニストでもある森川訓恵さんです。会場の雰囲気にジャスト、しかも演奏が素晴らしすぎてぜんぜん眠れなかったですが(笑)。
「sleep slept slept」の後には、私も「DJきー???」として面白音楽を選曲して、こっそりとかけさせていただきました。
自分たちの出番が終わってほっと一息、さてワインでもいただこうかな♡と思って茶屋の外へ出てみたら、森川さんが「あっ! ひょうたん」と小さく叫びました。
森川さんが指差すところを見上げると、「大谷茶屋」の外側に立つ柱に、ひょうたんが一つ、ぶら下がっていたのです!
そのひょうたんは25センチくらいで、黒く塗られ、赤い紐と鈴がつけられていました。塗装がひび割れ、ところどころ剥げていますが、なかなかいい形です。
「なんで、こんなところにひょうたんがあるのですか?」と周囲の人にきいてみても、誰も知らないようでした。
そんなわけで由来は謎のまま。しかし、こんなところでひょうたんに出会えるとは。思いがけない喜びに、ヒョータニストである我々は、瞬く間に笑顔になりました。
そのひょうたんをきっかけに、森川さんは、「今年は去年収穫したひょうたんから自主採種して苗づくりから始めようとしたけれど、うまく育たなかった」という事情を話してくれました。そうだったのですね。今年はひょうたん栽培をされなかったと思っていたのですが、うまくいかなかったとはいえ、チャレンジされていたのがうれしいです。
そして、ひょうたんをいち早く見つけるひょうたんアイも、私よりもずっと感度がよくて感激しました。森川さんのひょうたん愛は、ドローン音のように静かに持続していたのだと思いました。
テクノミュージックと、滝の音のミックス。闇の中で燃える焚き火の明かりと、樹木の匂い。山の上にあがってきた満月に照らされて、ひょうたんも微笑んでいるように見えました。
(1091日目∞ 11月2日)
※明日の「ひょうたん日記」はお休みをいただきます。次回1092日目は奥田亮「でれろん暮らし」11月6日(月)にアップ。1093日目は丸黄うりほ「ひょうたん日記」、11月7日(火)にアップします。