ひょうたんの二期作!? ヤマミーさんの挑戦
by 丸黄うりほ
ひょうたんを使ったお灸の実験や、古代の日本で行われていた「相撲節会」におけるひょうたんとタチアオイの開花時間の観察など、私たちの仲間であるヒョータニストさんのなかでも、一歩踏み込んだ独自の実験や考察をされているヤマミーさん。
ヤマミーさんは栽培もお上手で、プランターでも地植えでも毎年確実に収穫されているだけでなく、季節外れの8月に定植した苗に実をならせたり、ひょうたんの挿し木を成功させたりと、いつも驚くような成果をだされている「緑の指」の持ち主です。
そのヤマミーさんから、またまた吃驚するお知らせが届きました。なんと現在ひょうたんの二期作にトライしているというのです!
二期作の紹介に入る前に、ひょうたんの定番的な栽培スケジュールについて書いておきましょう。ひょうたんのタネ蒔きは4月の桜の花が咲くころ。畑やプランターに定植を行うのが5月ごろ。6月から8月にかけてたくさん花が咲きます。花には雄花と雌花があり、受粉に成功すれば雌花が実になるのですが、すぐに収穫することはできません。ひょうたんの実が完熟するまで約2カ月かかるため、収穫は早くても8月中旬。通常は9月以降が収穫期に当たります。もっとも、温室をお持ちの人は3月にタネを蒔き、8月に収穫してしまう場合もあるようです。
今年、ヤマミーさんは千成ひょうたんと、百成ひょうたん、オオナガユウガオの3種類を栽培しました。千成ひょうたんが最も成長が早かったそうで、6月にはたくさん花が咲きました。
ところが、8月15日、紀伊半島に台風が上陸。和泉市にお住いのヤマミーさんは、千成ひょうたんのプランターが風の通り道にあったことから、上陸前に思い切って実を収穫しました。そのひょうたんたちに穴を開けて水浸けにしたようすが写真①です。
ヤマミーさんはこの千成からタネ抜きをした時に、一部は乾かして保存用とし、余ったぶんは庭の片隅に捨てたのだそうです。すると、そのタネから双葉がわさわさと出てきました!(写真②)
「今年は残暑が厳しいので、もしかしたら二期作ができるかも?」と感じたヤマミーさんは、9月中旬この双葉をプランターに定植(写真③)。しばらくすると、本葉も出てきました(写真④)。
そして写真⑤が現在のようすです。本葉5枚、蔓もしっかりと出てきています。さらに、⑥をよくご覧ください。葉の付け根の部分から、雄花の芽が出てきています!
ひょうたんの実がつくには、雌花が絶対に必要なのですが、もしかしたらこの調子で育てば……実現するかもしれません!
ちなみに、写真⑤の上の方に見えているのは、そのタネをとった千成ひょうたんだそうで、再び花が咲いて結実し、小さな実がいくつかぶら下がっているのが見えます。昨年のタネではなく、今年のタネから育った親子ひょうたん。まさに二期作ですね。
10月に入っても、昨日今日などは気温が高めですが、このひょうたんたちにとってはこれからの寒さが最大の敵になってくるかと思います。ビニールキャップをつけるとか、温室に入れてやるなどすれば寒さから守ることができるかも……。
果たして、雌花は咲くでしょうか?実はできるでしょうか?
ヤマミーさんのひょうたん二期作を、私もどきどきしながら見守っていきたいと思います。
(1082日目∞10月20日)
「でれろん暮らし」10月23日(月)にアップ。
1084日目は丸黄うりほ「ひょうたん日記」、10月24日(火)にアップします。