ますます精度が高まってきた「ひょうたんeye」
by 丸黄うりほ
ノラ猫や猫型のものを誰よりも早く見つける「猫eye」の持ち主は世の中に結構いらっしゃるように思うのですが、ひょうたん型に誰よりも早く反応する「ひょうたんeye」の持ち主はそれよりもぐっと人口が減るように思います。
しかし、ふだんからひょうたんに親しむ愛瓢家やヒョータニストのみなさんは、ほとんどが「ひょうたんeye」をお持ちではないでしょうか。少なくとも、毎日ひょうたんに水をやり可愛がっているうちに、街でひょうたんを見かけても「おおおっ!」と反応する「ひょうたんeye」が自然に育ってくるように思います。
最近の私の「ひょうたんeye」は、ひょうたん型をしたものだけでなく、蔓や葉にも反応するようになってきました。「これはひょうたんの蔓ではないか?」と感じると、頭の中で「ガーガーピーピー!!」とセンサーがけたたましく鳴るのです。
先日、私は大阪市中央区、東横堀川の河川敷に建つ「β本町橋」という施設に赴く機会がありました。予定より少し早く着いたので建物の周囲を歩いていると、プランターに植えられ、ネットにからまった蔓性の植物を発見!私の「ひょうたんeye」センサーが「ガガガ、ガガー!!」と反応しています(写真①②)。
近づいてみると、葉は茂っていますが実はありません。それどころか花芽もついていません(写真③)。ウリ科植物の葉はどれもよく似ていて判断しにくいのですが、花が白であればひょうたんである可能性が高まります。さらに、雌花があれば実の形をしていますのではっきりわかります。そういった手かがりはまったくない状態でしたが、私の「ひょうたんeye」は引きさがろうとしません。
そんなときに、ふと思い出したのです。私が作ったひょうたん苗を毎年引き取ってくださっていた北浜のカフェ「フレイムハウス」の美佐子さんが、「今年は自分が育てることはできないけど、かわりに近くの施設に引き取ってもらえそうだ」……とおっしゃっていたことを。
美佐子さんに託した苗は、こちらの「β本町橋」に引き取っていただき、育ててもらっていたのではないか?
……おそるおそるスタッフの方に尋ねてみると、なんと推測通りだったことが判明!
植えていただいた場所は日差しが強く、グリーンカーテンになるかと思って育ててくださったそうですが、まったく花は咲かず、実もならなかったとのこと。それでも、緑があるというだけで窓辺をふわりと包んでくれてよかったとおしゃってくださいました。
我が家の苗が、こんなおしゃれな場所で育っていたとは感激です。そして、蔓だけでもきちんとセンサーが反応した「ひょうたんeye」の成長ぶりに、私は自分で自分を褒めてやりました。
さらに、最近もう一件「ひょうたんeye」の出動案件がありました。「北御堂のプランターにひょうたんらしき植物がある」と知人からリークがあったのです。知人によると「白い花が咲いていたのも見かけた」とのこと。
私はさっそく大阪市中央区、御堂筋沿いの現場に赴きました。行ってみると、確かに蔓性の植物を認めました。ただし、株はひとつだけで、他の植物と寄せ植えされているようです(写真④⑤)。
私は近寄ってよく見ました。小さな花芽がついています。これはどうみてもひょうたんの雄花です!(写真⑥)
私の「ひょうたんeye」センサーは明るくリズミカルなトーンで「ピッピッピッピー!!」と鳴り響き、「これはひょうたんです」と断定しました。次にまた来てみたら、実がなっているかもしれません。みなさんも、北御堂の近くに行かれることがあったら立ち寄ってみてくださいね。
β本町橋と北御堂のひょうたんを見た後、私は東梅田の路上で見かけたカボチャのことをふと思い出し、「あいつは元気にしているだろうか……」と思いました。あいつはひょうたんではなくガボチャだが、ウリ科の仲間として気になる。もうとっくに死んでしまったかもしれないが……。
そのカボチャを見かけたのは、扇町通り。人通りも車の交通量も多く、繁華街や風俗街にも近い、およそカボチャにはふさわしくない街路樹の植え込みでした。私の「ひょうたんeye」は、ウリ科の仲間のことも思いやるように成長していました。
東梅田に足を運んでみると、前に見たときよりも勢力は衰えていましたが、その葉の形と、緑色を「ひょうたんeye」が認めた時は、ほっとしました(写真⑦)。
「よかったな。おまえも頑張れよ……」。
私は、けなげなカボチャに「ひょうたんeye」がニヒルに笑いかけるのを感じました。
(1054日目∞ 9月8日)
※次回1055日目は奥田亮「でれろん暮らし」9月11日(月)にアップ。
1056日目は丸黄うりほ「ひょうたん日記」、9月12日(火)にアップします。