塀を伝ってどんどん上に伸び、電線を伝って隣の家にまで侵入…
by 奥田亮
9月に入ってもまだまだ酷暑が続いていますね。この辺りは標高が高いからでしょうか(300メートル)、さすがに朝晩は涼しくなってきました。それにしても雨が降りません。ブルーベリーを栽培している若い農家さん、知り合いのお坊さんに雨乞いの祈祷をしてもらうとか。うちの小さな菜園も、里芋の葉っぱが焼けて黄色くなったり、きゅうりが枯れてしまったりで、今年は散々です(天気のせいだけではないと思いますが……)。
そんな中、根っこが千切れて風前の灯火となった「大寿」に代わって、「えせUFO」がようやくやる気を出したようです。先週体長8センチぐらいだった実は、今週14センチ。2つが同じぐらいの大きさでぶら下がっています。どちらかというとUFOというよりIPUなのですが、IPUとも少し形が違うようで水滴型の独特のフォルムをしています。何がどう混ざったんだろう?
そして、菜園のこぼれダネひょうたん。小さな実がなっていたので千成だと思っていたのですが、あれれ、よく見ると葉っぱに隠れて地面に大きめのひょうたんが転がっているではありませんか! 形は上半身が少し大きい逆さ型。体長は18センチもあります。これは百成ではありませんか。しかも最初に見つけた小さな実は形が全然違います。もしかして苗が2つある?と思って蔓をたぐっていったのですが、やはり1つの苗でした。今咲きかけている他の雌花をみるとすべて逆さ型。最初にできた小さな実だけが違う形だったようです。不思議ですね。
さて、今年「大寿」と「百成」と「えせUFO」の苗をもらってもらったMさんから、栽培中の写真が届きました。「えせUFO」が大暴れしているようです。なんと実が14、5個もできていて大きいのは体長30センチ近くになっています。しかも庭の片隅に植えていたら、塀を伝ってどんどん上に伸び、さらに電線を伝って隣の家にまで侵入しようとしていたので慌てて切りにいったとのこと。形はうちと同じでIPUというか水滴型。うちの苗と兄弟であることは間違いなさそうです。Mさん曰く、とくに何の世話もせず、摘芯もたぶんしてなくて、ただ水をやっていただけだったようで、環境がよかったのか、Mさんがグリーンフィンガーなのか。同じ苗でも育てる環境や人によってずいぶん違ってくるものです。他にも何人か苗を配ったところがありますが、それはまた次回ご紹介させていただきます。
本屋の方は2カ月間開催されていたスタンプラリーイベント「やっぱりカレーだねフェス」が今週いっぱいで終了します。先日、うちを最後にすべての店をコンプリートしたという方が来られました。暑い中2カ月間とはいえ、4市町村をまたがる41店舗をすべてまわるなんて、すごい! なんだかそんなことしそうにないフェミニンないでたちの女性でした。いや、その情熱とパワーがどこから来るんでしょう。頭が下がります。
カレーフェスが終了すると、トークショー「吾輩は本屋である。」を開催します(詳しくはこちら)。鳥取で書店「汽水空港」を営み、その生き方が若い人たちにインパクトを与えているモリテツヤさんと、長野市で創業150年の本屋「書肆朝陽館」を再興させた荻原英記さんをお招きしての本屋談議。面白いことになりそうです。イベントはこれで一旦ひとしきりになります。ああ、はやく涼しくなってほしいですね、でれろん。
(1050日目∞ 9月4日)
- 奥田亮 ∞ 1958年大阪生まれ。中学生の頃ビートルズ経由でインド音楽に触れ、民族音楽、即興演奏に開眼。その後会社に勤めながら、いくつのかバンドやユニットに参加して音楽活動を続ける。1993年頃ひょうたんを栽培し楽器を作って演奏を始め、1997年「ひょうたんオーケストラプロジェクト」結成、断続的に活動。2009年金沢21世紀美術館「愛についての100の物語」展に「栽培から始める音楽」出展。2012年長野県小布施町に移住し、デザイン業の傍ら古本屋スワロー亭を営む。2019年還暦記念にCD『とちうで、ちょっと』を自主制作上梓