ウリ科の仲間たちと、ここにもひょうたん!京都府立植物園
by 丸黄うりほ
昨日に続いて京都府立植物園からお届けします。
「四季 彩の丘」にあるウリ科植物の棚には、ひょうたん以外のウリもたくさん育っていました。
まずは写真①②をご覧ください。芝生の上に転がっている、丸い大きな実。これは「ユウガオ 10貫目」です。ユウガオとひょうたんはどちらもユウガオ属で植物としては同一種なのですが、ユウガオが食用として分化し、かんぴょうの材料などになったのに対して、ひょうたんは容器や飾り物として使われるようになったという違いがあります。10貫目というと、約37.5キロです!この実が何キロあるかはわかりませんが、とにかく大きい!
写真③は、「ヘビウリ」。ヘビウリはカラスウリ属で、ひょうたんと同じく花は白。インドでは食用にするときいています。地面を這いながら成長しているものもあって、その姿はまさにヘビのよう。
写真④は「ペポカボチャ」です。本当におしゃれで可愛い実ですね。この品種のような食べられないカボチャのことを英語ではgourdといい、食べられるカボチャpumpkinとは区別していますが、あちらではひょうたんのこともgourdと呼ぶらしい。
写真⑤は「ザッソウメロン」。香川県女木島に自生する野生種のメロンだそうで、直径2、3センチほどの小さな実がたくさんついていました。
ウリ科植物の棚をたっぷりと鑑賞した後、「四季 彩の丘」の他の畑を眺めると、「えっ?」……、明らかなウリ科の葉の形が目に飛び込んできました。まさか、ここにもひょうたんが?
近づいてみると、20センチくらいの筒型の実がぶらりと下がっているではないですか!(写真⑥)
その隣にはゴーヤの実もなっていて「こんなところにもウリ科のコーナーがあったのか!」と思いました。実のなっている蔓の株元には「加賀太きゅうり」というプレートがあり、その隣には「桂うり」というプレートもありました。どうやら、ひょうたんではなく伝統野菜を集めたコーナーだったようです。
しかしまあ、いいウリ科がたくさん見られて大満足!と、私は鼻歌気分で園内をたのしく歩き回り、さてそろそろ帰ろうかなと出口へ向かおうとしたときに、またしてもウリ科の葉っぱを発見してしまいました!
近づいてみると「のぼれ!つる植物」というポップがラティスに貼られていて、そこには「のぼり方は3タイプ」「キュウリは巻きひげタイプ、アサガオは巻きつるタイプ、キヅタはくっつきタイプ」と書かれていました。(写真⑦)
このコーナーではいろいろな植物が寄せ植えされ、つる同士が巻き付き合って、ほとんどこんがらがっている状態(笑)。何かのウリ科植物の実ができており(写真⑧)、ゴーヤの実もなっていました。そしてなんと「ひょうたん」というポップも出ていたのです!
私は目を凝らして探してみましたが、生い茂る葉の中にひょうたんの実は見つかりませんでした。しかし、ひょうたんらしき白い花は咲いています。ほとんどが雄花ですが……あっ!雌花もありました!(写真⑨)
「四季 彩の丘」のウリ科棚だけでも天国にいるような気分になれたのに、今まで気がつかなかった、もしかしたら今年限定のウリ科栽培を見ることができて、私の心は限りなく満たされました。ありがとう、京都府立植物園。また会いにきますね!
(1049日目∞ 9月1日)
- 丸黄うりほ ライター・編集者。ひょうたんをタネから育て、その実から音の出るものを自作し、演奏する楽団「ヒョウタン総合研究所」立ち上げ所員。ソロで「オール電化ひょうたん」としても活動中。ひょうたん栽培歴は15年ほどになるが、畑がないので毎年マンション(大阪市北区)のベランダでプランター栽培している。「花形文化通信」では、ほかにインタビュー記事を担当。
- 2023年度ヒョータニスト(ひょうたん栽培&加工に挑戦中のみなさん)
フェイ・ターンさん(瓢箪山)、ヤマミーさん(和泉市)、おーさきさん(小野市)、ヒロミさん(淡路島)、コンさん(吹田市)、イハリコさん(吹田市)、かよさん(瓢箪山)、杉浦こずえさん(大阪市/安城市)、たみさん(守口市)、いっさん(西宮市)、中野由紀昌さん(福岡市)、西山朝子さん(大阪市)、塚村編集長、KFさん(東大阪市)、しまじろうさん(大阪市)、坂本真理さん(国分寺市)、友清さん(姫路市)※順次追加していきます。
※次回1050日目は奥田亮「でれろん暮らし」9月4日(月)にアップ。
1051日目は丸黄うりほ「ひょうたん日記」、9月5日(火)にアップします。