毎年楽しみな豊国神社と方広寺のひょうたん
by 丸黄うりほ
昨日は宇治市植物公園の「ひょうたん展」のことを書きましたが、私はその日その足で宇治から京都市内へと向かいました。まず訪れたのは京都府立植物園で、こちらのレポは明日と明後日にじっくり紹介したいと思います。その後ちょっとした用事をすませて向かったのが、東山にある豊国神社と方広寺です。
この「ひょうたん日記」をずっと読んでくださっている方はもうご存知かと思うのですが、豊国神社は豊臣秀吉を主祭神とする神社。方広寺は秀吉が大仏を安置するために創建した寺で、豊国神社と隣接しています。秀吉といえば、そうです、千成ひょうたんの馬印ですよね。
そのことから「地域に所縁のあるひょうたんで、風情ある町を」と区役所が呼びかけ、2013年に「東山瓢箪プロジェクト」が発足し、プロジェクトメンバーでもある町の人々が家庭や学校などにタネや苗を配り、ひょうたん普及に尽力しておられます。また、豊国神社と方広寺の境内でも毎年ひょうたん栽培が行われています。
私にとってはこちらのひょうたん棚を見学させていただくのが夏の風物詩となってまして、「ひょうたん日記」でも、2020年(297日目、320日目)、2021年(562日目)、2022年(773日目)と、その栽培の様子をお伝えしてきました。
今年は少し見学の時期が遅くなってしまいました。さて、今年のひょうたんはどんな感じかな? まだ栽培されているかな?
訪れた時間帯が遅かったので、国宝の唐門はすでに閉じられていました。唐門の横には、去年は見かけなかった、兜を被ったウサギがいました。手には桐紋の扇子、後ろにはひょうたんの馬印。ということは、このウサギは秀吉?それともたんに今年の干支ということなのでしょうか。ウサギについてはちょっとよくわからなかったのですが、その横の、いつもの場所にはひょうたん棚がまだありました。
まにあった。よかった。
ただし葉は半分以上枯れてしまっていました。お盆を過ぎてしまったので、もう見ごろは過ぎています。ぽつんぽつんと下がったひょうたんの実は、すでに白っぽくなっていて、収穫期が近づいていることがわかりました。
方広寺のほうへ回ってみると、緑がある……と思ったら、緑色をしているのは生い茂った雑草でした。ひょうたんの蔓や葉はほとんど枯れていて、なかには茶色くなった実もぶらさがっています。
栽培はほぼ終わりかけていましたが、ひょうたんは大豊作でした。ほとんどの実が20センチくらい、大きめの実は30センチくらいあり、良い形のものがたくさんあります。実の表面はすっかり白っぽくなっていて、すぐにでも収穫可能な感じでした。
ギリギリだけど、見られてよかった。毎年この二つのひょうたん棚を見ないと、私は京都の夏を見たという感じがしないのです。植物園とはまた違う、町の人々のひょうたん愛に、しばしじんわり浸らせていだきました。
(1047日目∞ 8月30日)