浮かびの宮・堤根神社の茨田堤祭(1)
by 丸黄うりほ
お盆前の8月6日、大阪府門真市の堤根(つつみね)神社にお参りしてきました。福岡市のヒョータニスト・中野由紀昌さんと一緒に、5月に大阪のひょうたんスポット巡りをした時に、令和5年度の「茨田堤祭(まんだのつつみさい)」がこの日に行われると宮司さんからきいていたのです。
神事が午前10時から、行事が11時から行われるということで、私はその少し前に神社に到着しました。
堤根神社は大阪府の指定史跡「伝 茨田堤」の鎮守として創建された、門真市で最も古く、『日本書紀』に記述のある「浮かびのひょうたん」伝説が伝わっている神社です。ご由緒などの詳細は、「ひょうたん日記」966日目、967日目、968日目、990日目に書いていますので、ぜひそちらも読んでみてくださいね。
京阪大和田駅を出て神社に向かうと、鳥居前に「茨田堤祭」のノボリが立っているのが見えました。ふだんは赤いノボリが出ているのですが、この日のノボリは見かけたことのない黄緑色です。ノボリには、水の中から浮かび上がるふたつのひょうたんの絵がプリントされていました(写真①②③)。
なんといっても気になるのは、前回中野さんと一緒に訪れた時はまだ背の低かったひょうたんの株が、どんなふうに成長しているのかということです。私の目はまず境内で栽培中のひょうたんを追いかけました。
最初に目に入ったのは、手水舎の横にあるひょうたん棚です(写真④)。
近寄って見てみると、可愛い千成ひょうたんが20個ほどぶら下がっていました。きれいなひょうたん型をしたものが多いです。実の色はかなり白っぽくなっていて、受粉からだいぶ日が経っているように見えました(写真⑤)。
本殿の階段前に並べられたプランター栽培の千成ひょうたんにも、たくさん実がついていました。葉はウリキンウワバに食われたらしく、レース状になって枯れてしまっていましたが……(写真⑥)。
本殿横には、千成ひょうたんと百成ひょうたんが涼しげにぶらぶらしていました。口部がはっきりとしていて、ウェストのきゅっとしまった、こちらもかなり美形のひょうたんです(写真⑦)。
本殿裏の道路沿いにも、千成ひょうたんのプランターがありました。これもだいぶウリキンウワバに食われていますが、実の形はとてもきれい!(写真⑧)
宮司さんによると、今年はいろいろな種苗メーカーのタネを混ぜて栽培してみたけれど、気候のせいかどれもあまり育ちが良くないとのこと。「例年はもっとたくさん実るのですが、今年は数が少ないです」とおっしゃっていました。
境内で育つこのひょうたんたちは、秋になって収穫された後、宮司さん自身の手で加工され、「浮かび守り」として生まれ変わります。
(1038日目∞ 8月17日)