吃驚!ひょうたんの花にブラックライトを当てると?
by 丸黄うりほ
「カラスウリの花にブラックライトを当てると、雄しべと雌しべが蛍光色に光る!」
……そんな投稿を先日ツイッター、もといXで見かけました。カラスウリは、その名の通りウリ科カラスウリ属の植物。雄株と雌株があり、花はひょうたんと同じく雄花も雌花も白色で、夜間に咲きます。花びらの先が糸状に裂けていて、まるでレースのように美しい花です。
その投稿を見て、私はすぐに思いました。「もしかしたら、ひょうたんの花もブラックライトで光るかも?」
そんなわけでさっそく梅田駅前のヨドバシカメラへ行き、ペンタイプのブラックライトを買い求めてきました(写真①)。
ブラックライトは、紫外線を放射する電灯です。紫外線は人間の目には見えませんが、鳥や爬虫類、昆虫やクモには見えているそうです。つまり、ブラックライトを当てた植物というのは、昆虫たちが見ている植物の姿に近いということが言えるらしい。
ブラックライトを買い求めた日の夜、我が家のベランダで栽培中のオオナガユウガオ「トラヤヌス」が咲かせたのは雄花ひとつだけでした(写真②)。
「よしよし、今夜は君に実験台になってもらうからな」と、私はその雄花に言い聞かせ、周囲が暗くなるのを待ちました。
我が家は町の中心部のにぎやかなところにあって、夜10時ごろになっても完全な暗闇にはなりません。ブラックライトの力がじゅうぶんに発揮できるかどうかはわからないなと思いつつ、雄花にそっと光を当ててみました。
……すると。
白い花びらは紫色に。そして、雄しべの花粉の部分は蛍光イエローに、くっきりと光って見えたのです!(写真③)
雄花からは素晴らしい芳香も漂っていて、この香りと蛍光イエローで虫を惹きつけているのだと思いました。虫たちが間違いなく花粉にたどり着けるのは、この光る成分のおかげなのでしょう。
それから数日たって、昨夜ようやく雌花がひとつ咲きました(写真④)。周囲がすっかり暗くなってからブラックライトを当ててみると。
やはり、花芯の部分だけが蛍光イエローに光りました!(写真⑤)
ついでに花以外にもブラックライトを当ててみると、なんと葉は鮮やかなピンク色に見えました(写真⑥)。実にも当ててみましたが、こちらは特に変化はなし(写真⑦)。
ふーむ。昆虫たちには、ひょうたんがこんなふうに見えているのですね!
面白いですね。人間の目に見えている世界だけが実在する世界ではないということを、ブラックライト一本で体感することができました。
(1037日目∞ 8月9日)
※丸黄うりほ「ひょうたん日記」と奥田亮「でれろん暮らし」は8月16日(水)までお休みをいただきます。次回1038日目は丸黄うりほ「ひょうたん日記」、8月17日(木)にアップします。