ひょうたん型のお重でいただくビーフカレー

by 丸黄うりほ

①地下街「ホワイティ梅田」にある「YUKI 湯木のカレーバル」

②ひょうたん型のお重に、ビーフカレー?

③これが「ビーフカレーセット」。たまらん可愛さです

④特にヘタのところが可愛い

⑤ふたつ並べるとさらに可愛い

⑥一の重には野菜サラダが

⑦二の重には温泉たまご、三の重には香の物が

⑧ビーフカレーは和風だしが隠し味 

大阪梅田の地下街「ホワイティ梅田」を歩いていたら、あるお店の前で私のひょうたんアイが「ぎゅいいいん!」と激しい音を立てました。

立ち止まったそこは、「YUKI 湯木のカレーバル」。なんと、ひょうたん型のお重に恭しく入った「ビーフカレーセット」がメニューにある?

これは一大事だ!ということで、さっそくヒョータニスト・グルメ班(たったいま命名)のコンさんに連絡をとりました。事情を話すと、「行ってみましょう!」ということに。

出かけたのは平日の夕方。お店は比較的すいていて、すぐに入ることができました。

席に着いて、私は一応メニューにも目を通してみましたが注文は一択です。「ひょうたんのビーフカレーセットはまだありますか?」とお店の人に聞いてみると「あります」との返答。というのは「1日限定30食」と聞いていたからです。「では、それを2つください」と告げ、コンさんと私はわくわくしながらテーブルでカレーの到着を待ちました。

グルメなコンさんは、ここへ来るまでにしっかりと情報を集めてくださっていて、限定メニューだということや、日本テレビ系の「行列のできる相談所」で、貴乃花さんが紹介していたことなども教えてくださいました。「なぜ、ひょうたんなのかな?」と聞くと、「このお店は、日本料理店「吉兆」の創業者である湯木貞一氏の孫が営んでいるらしいですよ」とコンさん。

そうだったのか!だから、ひょうたん!

この「ひょうたん日記」で紹介したことがある本町の日本料理店「美松」でも、同じようなひょうたん型のお重で「瓢箪弁当」を出していて、それもお店の人に聞けば、「吉兆」から譲り受けた器だとおっしゃっていたのを思い出しました。

そんな二人の前に、ひょうたん型のお重が優雅に運ばれてきました。

かわいい……!

「特にヘタのところがたまりませんね」と私。

「いやー、やっぱりこのくびれでしょう」と、コンさん。

私は口元をニマニマさせながら、ひょうたんのヘタをつまみ、蓋をとりました。

最初のお重に入っていたのは、野菜サラダです。レタスとキュウリ、プチトマトのなんてことない普通のサラダでしたが、こんなふうに恭しく出てくるとドキドキしますね。

続いてのお重には温泉たまご。その次には、ラッキョ、福神漬、ピクルス。一つ一つ開けていくのが楽しいです。

最後のお重、ひょうたんの下半身のふくらみの部分にビーフカレーがはいっていました。

ビーフカレーは、まろやかで辛くなく、まさに欧風カレーといった感じの味わい。ウェブサイトによると、このカレーのレシピはもともと「吉兆」のまかないカレーだったそうで、隠し味にかつお風味の和風だしが使われているのだそうです。こちらの店主が子どもの頃に食べた懐かしい味を再現したものだとも書かれていました。

和風だし。なるほど、そのせいなのかもしれませんが、ひょうたん型の和風の器にカレーが入っていても全然違和感がありません。まったく尖ったところのない、まるーい味わいは、おなかにも優しい感じ。

辛いものが苦手な人や、小さな子ども、お年寄りまで、これなら誰でも安心していただけると思います。おいしかったです。ごちそうさまでした!

(1031日目∞ 8月1日)

  • 丸黄うりほ ライター・編集者。ひょうたんをタネから育て、その実から音の出るものを自作し、演奏する楽団「ヒョウタン総合研究所」立ち上げ所員。ソロで「オール電化ひょうたん」としても活動中。ひょうたん栽培歴は15年ほどになるが、畑がないので毎年マンション(大阪市北区)のベランダでプランター栽培している。「花形文化通信」では、ほかにインタビュー記事を担当。
  • 2023年度ヒョータニスト(ひょうたん栽培&加工に挑戦中のみなさん)
    フェイ・ターンさん(瓢箪山)、ヤマミーさん(和泉市)、おーさきさん(小野市)、ヒロミさん(淡路島)、コンさん(吹田市)、イハリコさん(吹田市)、かよさん(瓢箪山)、杉浦こずえさん(大阪市/安城市)、たみさん(守口市)、いっさん(西宮市)、中野由紀昌さん(福岡市)、西山朝子さん(大阪市)、塚村編集長、KFさん(東大阪市)、しまじろうさん(大阪市)、坂本真理さん(国分寺市)、友清さん(姫路市)※順次追加していきます。