ひょうたんパラダイス②フェイ・ターンさんの

by 丸黄うりほ 

①東大阪市・瓢箪山のフェイ・ターンさんの畑

②同じ苗に、まったく違う形の実がなりました

③UFO型の実。じつはこれも交雑種

④千成ひょうたんが大豊作!幸せな風景です

⑤まるで「仲良し夫婦さん」みたいな千成

⑥いちばん大きな実は、昨年の「ハンモック姫」の娘

 つやつやした肌の、なりたてのひょうたんが、あちこちの蔓から、棚から、ぶらんぶらんと下がる。今はひょうたんが最も美しい季節。

昨日に続いて、ひょうたん好きにとっての理想の風景、ひょうたんパラダイスの映像をお届けします。きょうは東大阪市のヒョータニスト、フェイ・ターンさんの畑から。

フェイ・ターンさんも、昨日紹介したヤマミーさんと同じくひょうたん栽培歴3年目。1年目は一部のひょうたんに病気が出るなど苦労されましたが、2年目からは畑にプランターを置くという方法で克服。苗づくりも上手くなり、風除けや雨避けをつけたオリジナルひょうたんハウスもすっきりとつくられ、年ごとに栽培の腕を上げてこられたのが写真を見てもわかります。(写真①)

今年は、千成、百成(大ひょうたん)のほか、交雑種2種を栽培。そのうちの一つはイプとUFOの交雑種で、淡路島のヒロミさんからもらった種子。もうひとつはメルカリで購入した種子から去年収穫した「えせUFO」の種子。「えせUFO」はUFOと何かの交雑種ではないかと思われますが、フェイ・ターンさんによると、今年は「えせUFO」は苗の時点でうまく育たず。ということで、UFOの収穫はあきらめていたそうなのですが……。

写真②をご覧ください。これは2個とも、淡路島のヒロミさんからもらった交雑種に実ったひょうたんなのです!

左の実は、しずくの形をしています。これは典型的なイプの実の形です。そして、右の実はカボチャのような丸型で、こちらは典型的なUFOの実の形です。同じ苗に、このように全然違う形の実がつきました!

さらに、写真③をご覧ください。これも淡路島のヒロミさんの交雑種。こちらの実もUFO型ですね。

ひとつのタネから2種類のひょうたんが実ったというわけで、雑種万歳!ハイブリッド最強!と拍手喝采したくなります。

ちなみに、ここまでの経緯をまとめておきますと、一昨年、淡路島のヒョータニスト、ヒロミさんが同じ畑でイプとUFOを栽培したことに始まります。その年、UFOはいくつかの「UFO型の実」をならし、タネをとることもできました。しかし、イプのほうは一つも実がならず枯れてしまいました。

次の年、ヒロミさんが「UFO型の実」のタネをまいて育ててみると、なぜかイプの実がなったのです。この年なった実は、すべてが「イプ型の実」でした。その実の形から前年のUFOが交雑していた(雄花がイプだった)ことが判明。

フェイ・ターンさんがヒロミさんからもらったのは、この「イプ型の実」から採種したもの。つまり、最初のイプとUFOから数えるとハイブリッド三代目に当たります。ハイブリッド一代目はすべてUFO型で、二代目はすべてイプ型、そして三代目にはUFOとイプの両方のタイプの実が一つの苗にできた!ということになりますね。いやー、ひょうたんの雑種、面白すぎます。

説明が長くなってしまいましたが、そんなわけでフェイ・ターンさんの畑は今年もいろいろな形のひょうたんが、にぎやかに実りました!

もちろん、標準的なひょうたん型をした千成ひょうたん(写真④⑤))や、百成ひょうたん(写真⑥)もどっさり!このなかでいちばん大きいのは写真⑥で、昨年「ハンモック姫」と名付けたひょうたんのタネから生まれた苗の実だそうです。写真⑤の千成ふたつは、フェイさん大のお気に入りで「仲良し夫婦さん」と命名。

そうそう。私はいつもひょうたんの苗に名前をつけて育てているのですが、フェイさんは苗ではなく実に名前をつけて育ててらっしゃいます。タネをとって次の年にまくのであれば、フェイさんの方法がわかりやすいかもしれませんね。

現在、イプ型、UFO型、千成、百成あわせて30個ほどの実ができているそうです。去年に比べて成長が早く、6月にどんどん花が咲いて、今はかなり落ち着いてきているのだとか。

それにしても、これぞ幸せな夏の風景といえましょう。ひょうたんパラダイスを眺めながら、冷えたビールでも一杯やりたくなりますね♡

(1019日目∞ 7月13日)