みずみずしさを取るか、あたふたしないことを取るか

by 奥田亮

ぐんぐんつるを伸ばす「大寿」。奥は樋から雨水を貯める貯水槽

菜園のひょうたん、「大寿」は順調に蔓を伸ばし、いよいよ雄花が咲き始めました。つぼみの時点で、なんだか花が緑色っぽくて、これはもしかして花が葉っぱに先祖返りする病気かしら、と心配していましたが、咲いてみるとちゃんと白くて安堵。次は良い形の雌花が咲くのを待つことにしましょう。

「えせUFO」も少々蔓は細めですが、なんとか無事に育っています。残念ながら「大ひょうたん」は最初に植えた苗も次に植えた苗も根っこをかじられてなくなってしまいました。今年は「大ひょうたん」にご縁がなかったのだと諦めざるを得ません。もっとも今育っている苗も、ちゃんと結実し、ちゃんと育ち、十分成長し、収穫後の水浸けできれいに中身が出て無事乾燥できるまで、どうなるか分からないのですが。そう考えると気が遠くなりますね。まあ、できる時はできるし、できない時はできないのですが。

「カトウシモン、星を描く。」

さて、先日久しぶりに演奏の機会がありました。アーティスト カトウシモンさん(でれろん暮らし113137でご紹介)にお願いしていた絵が夏至の日に届き、7月7日、七夕にその絵にあらたに七つの星を描き加えることになり、ならばいっそイベントにしてちょっとライブもやりましょうか、ということになったのでした。「シリウスの燕」と題された絵は、シリウスを真ん中に2羽の燕が舞い飛ぶ絵で、予定していた店舗の壁面にピッタリと収まっていました。そこに新たに星を描くという、なんだか儀式めいたイベントです。

ライブペイントするシモンさん(写真:中島敏子)

まあ、そんなにお客さんも来ないかな、と思っていたのですが、開始時間の7時が近くころには、シモンさんのお友だちが何人か来てくださいました。私がひょうたん立琴をポロンポロンと爪弾くなか、シモンさんが指で星を一つひとつ描いていきます。七つの星を描き終えると筆をフレームドラムに持ち替えて叩きながら歌い語り始めました。それに合わせて、ダンサーOkikaさんが登場。ベリーダンスをベースにした舞を可憐に舞い踊りはじめると、シモンさんは三味線に持ち替えて津軽三味線風にベンベン。私も楽器をいくつか変えながら合わせていきました。いつもながら完全即興で約30分。最後は目と呼吸で着地して終わりました。

カトウシモンさんと奥田(写真:中島敏子)

ダンサーOkikaさん(写真:中島敏子)

演奏する機会が多いわけではないので、いつもは事前に音響機材のセッティングを思い出しながらとりあえず済ませ、ちょっと楽器を弾いたりするのですが、その時点で、久々に音楽に触れるみずみずしい感覚を使い切ってしまい、本番では少し目減り感を否めないということがありました。そこで今回は、ホントにいきなりセッティングしつつ本番の演奏を始めてみました。おかげで少しはみずみずしさを保てたような気がします。多少あたふたはしてしまったのですが。みずみずしさを取るか、あたふたしないことを取るか、どっちでしょうね、でれろん。

(1016日目∞ 7月10日)