ひょうたん笛がピー!ひょうたんなお菓子にニッコリ

by 丸黄うりほ

①5月の「ひょうたん笛作りワークショップ」で笛は未完成でした

②鳴らなかった笛が、鳴るようになりました

③上からフッチーさん、Iさん、私のひょうたん笛

④フッチーさんの差し入れ、福壽堂秀信の「ピーナッツせんべい」

⑤こ、これはひょうたんでは?

⑥ひょうたん好きにはおなじみ、両口屋是清の「千なり」

⑦千成ひょうたんと桐紋の焼印が可愛い

 5月7日に、大阪・北浜のサロン喫茶「フレイムハウス」さんをお借りして開催した「ひょうたんフェスティバル」。おかげさまで、思いがけないほど多くの方にご参加いただき、盛況だったことを「ひょうたん日記」5月9日〜5月16日でお伝えしました。

しかし、私にはひとつだけ心残りなことがありました。それは、自分が担当した「ひょうたん笛作りワークショップ」に参加されたIさんの笛が鳴らなかったこと。Iさんは友人のフッチーさんと一緒に参加され、お二人とも「ひょうたん温灸器ワークショップ」とダブル参加してくださったために、作る時間が足りなかったのです。フッチーさんのほうは一応鳴るところまではいったのですが、笛に絵付けしたり、演奏してみたりというところまではできませんでした(写真①)。

幸いなことにIさんは私のご近所さんでしたので、「お時間があるとき、また続きをやりましょう!」と約束。そして、先日ようやくその約束が果たせました。Iさんのお宅をお借りし、フッチーさんもきてくださって、続きの作業を行いました。

ひょうたん笛は、ひょうたんに穴を開け、息を吹き込むことで「ピー」と鳴る仕組みなのですが、その吹き込む角度がわりあい重要です。音が鳴る角度を見つけて、そこに竹の吹き口をつけると音の出方が安定します。一つ穴で音が鳴れば、あとは持ちやすいところに音階用の穴を順に開けていきます。その穴を指で押さえて閉じたり開いたり、半音にしたりして、メロディっぽいものが演奏できるのです。

音が鳴る角度は、ひょうたんによって全部違います。というのは、ひょうたんの曲線は全部違っているから。ワークショップの続きを始めると、フッチーさんの笛はいい音がすぐ出ましたが、Iさんのほうはなかなか鳴りません。

そこで、ひょうたんを変えてみることにしました。Iさんには、私がだいぶ前に育てた千成から好きなものを一つ選びなおしてもらいました。

Iさんが最初に笛にしようとしていたひょうたんは私が引き取ることに。ただし、私とIさんでは手の大きさが違っているので、一度開けた穴は木工用のパテで埋めてしまいました。そうやって作り直したのが、写真②です。

ひょうたんを変えて作り直すと、Iさんの笛も音が出るようになりました。完成したひょうたん笛を3個並べてみると、とても可愛い!お二人とも「素のままのほうがいい」とおっしゃったので絵付けはしないことに。鳴らすと、3個とも音色が微妙に違っていて、まるで森の中で鳥たちが口々に合唱しているよう。楽しいー!(写真③)

はー、鳴った。よかったー!

安堵して、しばし放心していると、Iさんがお茶を入れてくださいました。そして、フッチーさんが持ってきてくださったお菓子を目の前に並べてくださったのです。

そのうちの一つが、福壽堂秀信の「ピーナッツせんべい」でした(写真④)。なんと、個別包装の絵がひょうたんです!そして、中に入った格子せんべいの真ん中にもひょうたんが浮き出しています!(写真⑤)

ピーナッツとひょうたんはくびれのある形が似ているので、もしかしたらピーナッツの絵なんじゃないかとも思ってもう一度よく目を凝らして見たんですが、……格子せんべいのひょうたんには紐がかかっているように見えます!これはやはりひょうたんでしょう!

さらに、フッチーさんはもう一種類。みんな大好き両口屋是清の「千なり」をふるまってくださいました(写真⑥⑦)。パッケージが最近ひょうたんでなくなってしまったのですが、中のどら焼きの焼印は、ずっと豊臣秀吉の千成ひょうたんと桐紋です。

ひょうたん笛がピーと鳴って、ひょうたんなお菓子にみんながニッコリ。とてもすてきな午後となりました。

(1013日目∞ 7月5日)