ひょうたんとウリ科の仲間たち

by 丸黄うりほ

①たみさんの千成ひょうたんは、蔓と葉の勢いがすごい

②KFさんの千成ひょうたん「お露」は花が咲き始めました

③杉浦こずえさんの千成ひょうたん「ふー」は可愛い実ができました

④いっさんのベランダ。千成ひょうたん2苗の仕立てがきれい!

⑤いっさんファームではスイカが結実

⑥昨年のメロン。手編みのハンモックがすてき

⑦東梅田の路上でみかけたウリ科

⑧我が家のナガユウガオ「トラヤヌス」の実、まだ1個だけ…

7月になりました。ひょうたんの一生にとってど真ん中の季節がやってきました。きょうも、ヒョータニストさんたちの栽培状況をお知らせすることから始めましょう。

まず、写真①は守口市のたみさんのベランダです。たみさんが栽培しているのは千成ひょうたん2株なのですが、ご覧の通り、蔓と葉の勢いがものすごい。大きくて深い緑色の葉、がっしりとしたたくましい蔓。くるくると巻きつく巻きひげも可愛いですね。

しかし、たみさんによると花芽らしきものはついているけれども、まだ花が咲かないのだそうです。こういうときは、開花促進ハイポネックスとリン酸・カリ肥料の出番。ハイポネックスは即効性があり、固形肥料はじわっときいてきます。与えてしばらくしたら花が咲き出すと思います。葉はとても健康そうなので、もう少しですね!

続いて写真②は東大阪市のKFさんの千成ひょうたん「お露」です。こちらは雄花が咲き出しました。白くてくしゃっとした花びらが可憐ですね。写真をみると、花芽もいっぱいついています。葉もいきいきとして、とてもきれい。花まできたら実はもうすぐ。これからどんどんなってくるでしょう。

写真③は大阪市の杉浦こずえさんの千成ひょうたん「ぶー」です。ふわっとした緩いくびれをもつ可愛い実がなっています。ご実家の安城市の庭に植えた兄弟苗「ふー」と「うー」のほうは、虫との戦いに明け暮れて成長が少し遅れているようですが、今年は大阪のベランダの「ぶー」が元気そうですね。たくさん実をつけますように。

続いて写真④は西宮市のいっさんの千成ひょうたんです。鉢植え栽培で、とてもきれいに仕立ててらっしゃいます。花はまだですが、葉はとてもいきいきとして元気。これからに期待いたしましょう。

いっさんは現在農業を学んでおられ、畑もお持ちだときいて、これらの千成ひょうたんの苗を預けたのですが、畑で他のウリ科植物を栽培中だということで、今回は急きょご自宅のベランダでの鉢植え栽培となりました。というのは、ウリ科植物同士は交雑しやすい。ひょうたんと他のウリ科植物が混ざってしまうと、食べられなくなってしまう。ひょうたんには毒があるため、毒キュウリ(!?)や毒カボチャ(!?)ができてしまうのです。

ひょうたんとは隔離されたいっさんファームでは、現在スイカが大きくなってきているそうです。写真⑤をご覧ください。スイカもウリ科の仲間。花は黄色で、葉の形もひょうたんとは違いますが、実のつき方はよく似ています。「スイカの下にある丸いものはなんですか?」とたずねると、「スイカ台です。ホームセンターにも売っていますよ」と、いっさん。敷き藁に蔓を這わせ、スイカの実も地面についていますから、水などが溜まって腐ってしまうのを防ぐために台を置くのですね。これは、ひょうたんの地這いづくりにも使えそうです。

いっさんは昨年は同じくウリ科のメロンを栽培されたそうで、そのときはハンモックを手編みされたそうです。写真⑥が、その手編みハンモック。大切に育てられていることが伝わってきます。

このように大切にされているウリたちもいれば、ギリギリの子もいます。写真⑦を見てください。

これ、なんだと思いますか?東梅田の路上で見かけたのです。街路樹に巻きつき、黄色い蕾がついています。実はできていませんが、葉はすでに黄色い。栄養不足ですね。葉と蕾の形からして、カボチャだと思われます。おそらく、苗を持て余した誰かが、ここにこっそり植えたのでしょう。

痩せこけた野良猫を見るようで辛いですが、たぶん私は今後もまたこのカボチャを観察しに行くと思います。

最後に、写真⑧を見てやってください。これは我が家のベランダで栽培中のナガユウガオ「トラヤヌス」です。6月27日に、なかなか雄花と雌花のタイミングがあわないことを書きましたが、その後8回受粉の機会がありました。しかし、最初の雌花はやはりダメで、他の雌花もなかなか膨らんできません。現在15センチくらいになっていて、なんとか生き延びそうなのはこの実1個だけ。この調子だと、あまりたくさん実ができそうにないなぁ。

「トラヤヌス」の実は最終的にどのくらいのサイズになるのかもわかりませんし、欲張らずに見守っていこうと思います。

(1012日目∞ 7月4日)

  • 丸黄うりほ ライター・編集者。ひょうたんをタネから育て、その実から音の出るものを自作し、演奏する楽団「ヒョウタン総合研究所」立ち上げ所員。ソロで「オール電化ひょうたん」としても活動中。ひょうたん栽培歴は15年ほどになるが、畑がないので毎年マンション(大阪市北区)のベランダでプランター栽培している。「花形文化通信」では、ほかにインタビュー記事を担当。
  • 2023年度ヒョータニスト(ひょうたん栽培&加工に挑戦中のみなさん) フェイ・ターンさん(瓢箪山)、ヤマミーさん(和泉市)、おーさきさん(小野市)、ヒロミさん(淡路島)、コンさん(吹田市)、イハリコさん(吹田市)、かよさん(瓢箪山)、杉浦こずえさん(大阪市/安城市)、たみさん(守口市)、いっさん(西宮市)、中野由紀昌さん(福岡市)、西山朝子さん(大阪市)、塚村編集長、KFさん(東大阪市)、しまじろうさん(大阪市)、坂本真理さん(国分寺市)、友清さん(姫路市) ※順次追加していきます。