「トラヤヌス」の雄花と雌花はおひとりさま

by 丸黄うりほ

①すっかりひょうたんジャングルになった我が家のベランダ

②6月21日。「トラヤヌス」初めてのつぼみは、雄花でした

③追肥しました。リン酸、カリ、苦土が主成分

④たったひとりで咲く、雄花くん。素晴らしく良い香り

⑤6月25日。ついに雌花が咲きそうです!

⑥美しい雌花。しかしまたもや、おひとりさま……

⑦その翌日は雄花が。またしても……おひとりさま

⑧前日の雌花とランデブーさせてみました 

6月のひょうたんは成長期!というわけで、6月15日に状況をお伝えしてから12日たった我が家のナガユウガオ「トラヤヌス」もびっくりするほど大きくなりました。

写真①は今朝のベランダの様子です。先週半ばに、南北に広げて伸ばしていた子蔓がベランダの南端と北端に到達し、いずれも摘心を行いました。摘心をするとたちまち孫蔓が伸びてきて、あっという間にひょうたんジャングルに!

我が家のひょうたんは毎年、蔓の成長はすごいんです。しかし花が遅れがち。ようやく先週の水曜(6月21日)に、今夜にも咲きそうな雄花のつぼみがつきました!(写真②)

……ところが、雌花はどこにも見当たりません。完全なるおひとりさまです。

その日はちょうど定植から1カ月目に当たっていました。これからじゃんじゃん咲いてくれという願いをこめて、開花促進ハイポネックスと、固形肥料を追肥しました。このタイミングで与える肥料は、いずれもリン酸、カリが主成分で、チッソが0パーセントのもの。チッソが多すぎると花が咲かず、葉ばかり茂ってしまうのです。(写真③)

その日の夜、「トラヤヌス」の初めての花が開きました。花びらが大きくて、とても甘い香りのする美しい雄花です。(写真④)

こんな美男子なのに、おひとりさまなので授粉はできません。しかし、丸黄ひょうたん園では、雄花を切り取って袋に入れ、冷蔵庫に保存しておくと3日ほどもつことが実証済み。そんなわけで、雄花1号は冷蔵庫行きとなりました。

それから4日後。日曜(6月25日)に、今度は雌花が咲きました!(写真⑤⑥)

雌花は、つぼみのときから花びらの下の子房といわれる部分がひょうたんの実の形をしています。「トラヤヌス」は、くびれのない筒型の実。きれいなうぶ毛に覆われた子房も、白いひだのある花びらもとても美しい。

……それなのに。

またしてもおひとりさまです。

私は冷蔵庫から4日前の雄花を出してきて、その花粉を雌花の花芯に塗ってみました。しかし、4日前というのは微妙な日数です。3日前の雄花で受粉ができたことはあるのですが、4日前で成功したことは今までにありません……。

うまくいかないものだなぁと嘆いていたら、なんとその翌日(6月26日)に雄花が咲きました。(写真⑦)

しかし、またしても、またしても、雄花ひとつだけ。

1日遅いんだよ……。雌花は切り取るわけには行きませんから、咲いた翌日は花びらが茶色くなって枯れていくのを待つだけ。受粉のチャンスは咲いたその日、1日だけ。

……と、そのとき私はふと思い出しました。ヒョータニストのフェイ・ターンさんが、去年「開花後3日目に受粉した雌花が実になった」とおっしゃっていたことを……。

もしかしたら、「トラヤヌス」の雌花1号も、それでいけるかも?

というわけで、雌花1号と雄花2号をお見合いさせてみました。(写真⑧)

4日前の雄花と1日後の雄花。これで雌花1号がふくらんできたら、ひょうたんの花は1日限りのランデブーというシバリを超える快挙となるかもしれません。

この後どうなったか、また報告いたします。どうぞみなさんも応援してやってくださいね! 頑張れ、「トラヤヌス」雌花1号!

(1007日目∞ 6月27日)