ひょうたんのようでひょうたんでないヒョウタンノキ
by 丸黄うりほ
▲木の幹からいきなりひょうたん?
前回と前々回は、大阪市鶴見区にある「咲くやこの花館」のひょうたん園ウォッチングをお届けしました。じつは、「咲くやこの花館」まで出かけたのにはもう1つ目的があったんです。
それはヒョウタンノキを見ることです。
ひょうたん棚は屋外の「役立つ植物広場」にありましたが、ヒョウタンノキは温室の「熱帯花木室」というところにありました。
近づいてみると、いかにも樹木という感じのごわごわした幹からいきなり緑色をした果実がにゅっと生えています。取ってつけたようです。ものすごい突然感。コラージュに失敗したような違和感。
果実は、色といい、皮のつやの感じといい、形といい、本当にひょうたんに見間違えるほどそっくり。くびれはありませんが、こういった丸い形のひょうたんはアメリカやアフリカではむしろポピュラーです。
「咲くやこの花館」にあった説明文によると、ヒョウタンノキはメキシコ〜中央アメリカ原産で、ノウゼンカズラ科。ひょうたんはウリ科植物ですから、まったく別の植物です。このような実のつき方をする植物を「幹生花」「幹生果」というそうです。
先日見かけた「咲くやこの花館」のツイッターによると、ヒョウタンノキも花は夜に咲くのだそうです(ひょうたんと同じ!)。また、今回この館では初めて授粉に成功し、初の実りとなったのだとか。現在、実は直径8センチほどに育っています。
ヒョウタンノキの実は、大きなものだと直径30センチくらいにもなり、皮はひょうたんと同じように硬くなるらしいです。そして、原産地では熟した実をひょうたん同様に楽器や容器として使うのだとか。そういえば、ビリンバウという楽器は通常ひょうたんで作るのですが、ヒョウタンノキで作ったものがネットで紹介されているのを見たことがあります。
※次回99日目は8月26日(月)にアップします。