ヨロコピタンに会いに行ってきました!
by 丸黄うりほ
▲林リウイチさんのひょうたんアート「ヨロコピタン」。
フェイスブックのタイムラインに、このひょうたんたちの写真が流れてきたとき、私は叫びました。「うわぁぁ。めっちゃ好み!」
ひょうたんは丸くて、くびれがあって、なんとなく顔を描きたくなる形をしていますから、ひょうたん人形というだけではそれほど珍しくはありません。もともとが可愛い形なので、目鼻をちょっと入れると勝手に可愛くなるのです。
しかし、このひょうたんたちは只者ではないと思いました。ものすごく生真面目な顔つき。ちょっと哀愁をおびた辛そうな表情。可愛さと、アンバランスさと、不気味さを併せもつたたずまい。
この作家さんは、ひょうたんの魅力を深いところで、そのあやしさまでも理解していらっしゃるなと直感しました。
というわけで、先週末行ってきたのは、大阪市北区豊崎にある「ギャラリー・ヨルチャ」さんです。展覧会のタイトルは「螻蛄の藝術」。林リウイチさんと矢野ミチルさんのふたり展。螻蛄はケラ、おけらのことですね。
ひょうたん人形は「ヨロコピタン」と名付けられていました。作り手の林リウイチさんによると「養老小人」からつけたのだそうです。養老といえば岐阜県のひょうたん名所で、養老の滝にちなんだひょうたん伝説のある土地。養老鉄道養老駅のホームは、天井から改札からひょうたんだらけ、駅前にも大きなひょうたんのモニュメントがあります。
聞けば、林さんは岐阜県のご出身。昨年養老で行われたアートフェスティバルで、地元の名物ひょうたんをつかって、何か作品を作れないかなと考えたのが「ヨロコピタン」誕生のきっかけだったそうです。
林さんは、ひょうたんのほかに貝殻や海の漂流物を使ったアートも制作されています。つまり作家がすべてをコントロールして作るのではなくて、作家が物体の声を聞いて、それに作らされてしまうようなものを作るのが得意なのだろうなと思いました。
一緒に展覧会をされていた矢野ミチルさんも、私が行った時、ちょうど養老のひょうたんをつかって「ひょうたん鳥」を作りかけていらっしゃったのですが、こちらも奇妙な味があって素晴らしかった。これをきっかけに、「ひょうたん鳥」もどんどん生まれてくればいいなと思いました。
この展覧会は7月15日で終わってしまったのですが、「ヨロコピタン」のインスタグラムを見つけました。最高です。ぜひ見てください!
養老小人(Yorocopitan ヨロコピタン)のインスタグラムはこちら。