雌花が少しずつふくらんできました!

by 丸黄うりほ

▲実になりかかった微妙な雌花の子房たち。

 

雄花と雌花のランデブーから1週間たちました。この間に咲いた雄花は36個、雌花は17個でした。まさに開花ラッシュ。しかも、今年のひょうたんウェスパシアヌスは雌花の数がかなり多めです。

けれど、受粉した雌花が全部ひょうたんの実になれるのではありません。ウェスパシアヌスは最終的に高さ20センチから30センチの実がなる中ひょうたん(園芸店などでは大ひょうたんという名前で売られている)ですので、受粉できた雌花のうち3割くらいが果実になれたらいいほうではないかと思います。小さな果実がたくさんなる品種の千成ひょうたんなら、7〜8割が果実になるのですが……。

例年の傾向を観察すると、最初に受粉した雌花はたいてい実になれるようです。しかし、その実の成長に栄養分をとられて、あとから受粉した雌花にはパワーがいきわたらないという感じを受けます。とくに、同じ蔓に隣り合ってついた姉妹の雌花は戦いが苛烈です。たいてい先に受粉した姉が勝ち、妹のほうは朽ち果てます。

雌花がひょうたんになりかかったサインは、ひょうたん型をした部分(子房)がふわっとふくらんでくることです。それから全体がつやつやと光ってくる。ここがポイントです。つやつやピカピカしてきたら半分くらいは懐妊とみていいでしょう。ホルモンが満ち溢れて、幸福感に酔いしれているようにみえます。そして、そのままどんどん大きくなっていきます。ただし、この段階で成長がストップしてしまい、しぼんでしまうこともたまにありますので、まだ完全に安心はできません。

一方、ひょうたんになれなかった雌花は、受粉後も大きさに変化がなく、かたい感じの緑色のままで数日たち、やがてそれが黄色くなり、最後は茶色くなってしぼんでしまいます。

さて、ウェスパシアヌスの場合です。

現時点で、いけそうな雌花が3個あります。もしかしたらいけるかもというのがあといくつか。いちばん大きくなっているのは最初に受粉できた雌花で、すでに20センチになっています。この時点で、果実のプロポーションがだいたいわかってくるのですが、ウェスの実はつるりと長細いタイプのようですね。なかなか上品で好きな形です。