殺菌剤でひょうたんの病気予防!

by 丸黄うりほ

▲殺菌剤「ベンレート」を水に溶かして灌注しました。

 

私はいつもひょうたんの苗を定植するとき、害虫からの攻撃を防ぐ「オルトラン」という農薬をまいて使っています。しかし、今までは病気予防のための農薬はあまり使っていませんでした。

ひょうたんの病気もいろいろあって、たいてい毎年かかるのが「うどんこ病」です。葉の表面に、名前の通りうどん粉をまいたような白いカビがはえる菌類による病害で、梅雨時期になるとはびこります。一度出てくるとなかなか治りにくく、しつこいのですが、葉の表面に散布するタイプの農薬をまいて対処療法的に、なんとか抑えていました。「うどんこ病」になるのはもちろん困りますが、これは命取りになるほどの病気ではなく、私は「葉の水虫」ととらえていたのです。

ところが、2017年に栽培した千成ひょうたんウィテッリウスはもっと恐ろしい病気になってしまいました。いくつか実がなって……、その日の朝までは元気だったのに、たった1日で蔓全体がしおれて枯れてしまったのです。こんなことは初めてだったので私はものすごいショックを受けました。そのせいで、2018年はひょうたん栽培をお休みしたほどです。

いったいウィテッリウスはどういう病気になってしまったのだろうか。実はいくつか兆候はありました。まだ老化には早い時期だったのに、死の数日前から下のほうの葉が黄色くなって枯れ始めていたのです。また、炎天下の日中は葉がしおれたようになることが多いのですが、その程度がいつもよりひどかった。さらに、蔓がところどころ割れて、赤い樹液のようなものがにじんでいました。それらの症状から推測できたのは、「つる割病」の疑いです。

「つる割病」に一度かかると、その株が助かる見込みはないそうです。同じ土壌で何度も連作すると出てくる病気だといわれていますが、毎年土を入れ替えているプランターの場合は当てはまりません。窒素肥料の与えすぎも病気をまねくそうです。しかし、直接の原因となるのはフザリウム属の病原菌だということがわかりました。

ひょうたんの病気には、このように菌類によるものが多いのです。かかってしまったら死に至る「つる割病」ですが、殺菌剤などを定期的にまくことで予防することはできるらしいです。

摘心を機に、新たなフェーズに入ったウェスパシアヌス。先代のウィテッリウスの二の舞にならないように、殺菌剤「ベンレート」を水に溶かして根元に灌注しました。