ひょうたんの親蔓を摘心しました!

by 丸黄うりほ

▲蔓の先端の、いちばん元気な部分をカットするのは勇気がいります。

 

ひょうたんの一生のうちで、育て主にとって最も勇気の必要な瞬間が早くもやってきてしまいました。

ひょうたんは蔓性の植物ですが、どの蔓にも実がなるというわけではありません。実がなるにはまず花が咲かねばならないのですが、花のつきやすい蔓というのがあるのです。それは、孫蔓です。

最初に伸びてくる蔓を親蔓といいます。この親蔓の先端をカットしますと、親蔓の成長はとまります。そのかわりに、脇芽が伸びてきます。これを子蔓といいます。ひょうたんの場合は、子蔓を2本、多くても3本だけ残してほかの脇芽はカットし、2本ないし3本に集中させます。そしてある程度伸びたらまたその子蔓の先端をカットします。すると、今度は子蔓からまた脇芽が伸びてきます。これを孫蔓といいます。

ひょうたんの花、そして実は、孫蔓につくのです。子蔓にも花は咲きますが、その花からはあまり形のいい実はできないといわれています。親蔓にはほぼ花はつきませんし、もし咲いたとしてもここで栄養を花や実にとられてしまうと、その先の蔓が伸びません。なので、親蔓に花を咲かせることは好ましくありません。

そんなわけで、とうとうウェスパシアヌスにも親蔓の摘心の時期がやってきました。

親蔓の摘心は、本葉8〜10枚くらいのときに行うのが標準だといわれていますが、何枚で、という決まりがあるわけではありません。早く摘心すると苗はコンパクトに育ちます。ウェスパシアヌスの場合は、10枚。我が家の環境(ラティスの高さ)にあわせての摘心です。

切るのは一瞬ですが、何度ひょうたんを育てていても、ここはためらいがあります。蔓の先端の、いちばん元気で勢いのある、いちばんかわいいところをカットしてしまうのですから。

しかし、かわいいからといって摘心の時期を逃してしまうと、親蔓が伸びすぎて、もっと心が痛むはめになります。「ウェスパシアヌス、痛いかもしれんが、ごめんよ。おまえのためなのだ」私はひょうたんにテレパシーを送りながらハサミを入れました。

さあ、これからは子蔓の時代です。

「がんばれ、ウェスパシアヌス!」