ひょうたんの品種、どれもナイスで迷う(5)「まくら」

by 丸黄うりほ

 ▲これもひょうたん、まくらの形をした「まくら」。

 

ひょうたん型ではないひょうたんその3は、「まくら」という品種です。これも昨日の「UFO」と同じ種苗会社の通信販売で種を見つけて購入したもので、園芸店では見かけたことがありません。また、ひょうたんの栽培本などでもこの名前を見たことがありません。なので、これを栽培した年はいったいどんな実がなるのかドキドキしながら育てました。

ひょうたんの種は、できる実の大きさによって大小はありますが、「千成」も「(中)ひょうたん」も「鶴首」も「UFO」も白っぽくて筋のある、だいたい同じようなデザインです。ところが、「まくら」は種からして雰囲気が違いました。スイカの種のようにつるんとして、全体が茶色かったのです。

発芽させて、定植して、ほかの品種と同じように育ててみました。その後出てきた葉や蔓は同じような感じでしたし、花の色もほかのひょうたんと同じく白でした。

ところが、実の色は違いました。栽培中のひょうたんの実は、ほとんどが薄い緑色をしているのですが(例外もあります)、「まくら」の実は濃い緑色でした。大きさは、高さ20センチくらいで、名前の通り昔の和風のまくらのような形です。

この実の形と色をみて感じたのは、トウガンによく似ているなということでした。ウリ科植物はわりあい交雑しやすいといわれているのですが、もしかしたら「まくら」は、ひょうたんとトウガンをかけ合わせて作った品種なのかもしれない…などと思ったりもしました。でも、トウガンの花は黄色いはずだからやはり違うかもしれません。種苗会社に問い合わせてみたわけではないので、あくまで私の憶測です。

それはさておき、「まくら」はシンプルなようでいて、見れば見るほどすてきな形だし、楽器の素材としてもイマジネーションがわきます。ひょうたんの仲間に入れることには大賛成です。