ひょうたんの品種、どれもナイスで迷う (3)「鶴首」
by 丸黄うりほ
▲「鶴首」は、ふくらみがひとつだけのフラスコ型。
「ひょうたん型」をしているものだけがひょうたんなのではありません。もともと野生のひょうたんは、あの形ではなかったという説が有力です。有力、という言い方をしたのは、今では野生種のひょうたんがほぼ絶滅したとされているから。現在地球上で栽培されているひょうたんは、古くから人間の手によって改良された植物なのです。
ということで、今日はひょうたん型ではないひょうたんの「鶴首(つるくび)」を紹介します。
ひょうたんといえばふたつのふくらみが特徴ですが、「鶴首」のふくらみはひとつだけです。そこに、とても長い首がついています。その名のとおり鶴やフラスコを思わせる、きゃしゃで優雅な形です。実の長さは30センチ程度。過去に私が栽培したときは短いもので10センチ、長いもので40センチになりました。
もともと世界各地でひしゃくとして用いられてきたひょうたんで、別名「杓瓢(しゃくひょう)」とも呼ばれています。茶道や煎茶で使ったことがあるという方もいらっしゃるかもしれません。私はマッコリの甕にこのひょうたんが添えられているのをみたことがあります。
「鶴首」の種は、大きめの園芸店や種苗会社の通信販売で入手することができます。育て方は「千成」や「(中)ひょうたん」など、ひょうたん型のひょうたんと同じです。プランターでも栽培できますし、比較的丈夫で、病気などにもかかりにくく、育てやすいです。実も「千成」に次いでたくさんつきます。
ひょうたん楽器にするなら、この形をそのまま生かしてマラカスにできますし、ちょっと加工すれば笛としても素敵なものになります。
*【ひょうたん日記】は、土日お休みをいただきます。次回6日目は4月8日(月)にアップします。来週も続きをお楽しみに。