前職は北海道のすりみ屋さん 

by 児嶋佐織

こんにちは。テルミン奏者の児嶋佐織です。

お正月休みが終わり、七草粥もいただきましたが、もう少し年末のお話にお付き合いください。

前回のデイリーちくわでご報告しました、会場中に吊るした短冊に囲まれて演奏した短冊(今西紅雪箏+こじまテルミン)のライブ、『伯剌西爾喫茶短冊』

その準備に追われる中、まるで映画『ナイト・オン・ザ・プラネット』みたいな出来事があったんです。

紅茶yurikoちゃんの喫茶営業が終わったクリスマスイブ、翌日の準備のために、大荷物で会場のchove chuvaに向かいます。
当然タクシーは呼んでも来なくて、通りに出てずいぶん待った頃に一台の空車が目の前に現れました。これはありがたいと乗り込むふたり。

その日こじまは京都でテルミンレッスンがあり、ついでに京都の老舗茨木屋さんでちくわを買って帰るつもりだったのに臨時休業だった、という話をしていました。「そりゃクリスマスイブにかまぼこ屋開けててもだれも来ないね……?」と言ったところに、運転手さんが「どこのかまぼこ屋?」と食いついてくるのです。

「京都です」「どこ?」「茨木屋さん……」「あーはいはい、なら鱧つかってはるかな」
……なんで?この人もねりもの好きなの?まさかねりものブログ界のスパイ?と怪訝な表示を隠せない人見知りこじま。

大人な対応で優しく受け答えするyurikoちゃんとの会話によりますと、なんでもその運転手さんの前職は北海道のすりみ屋さんだったそうで、関西や四国のねりものメーカーにすりみを卸しておられたそう。「すりみには3つランクがあって、1番目は皮と小骨を取り除いた白身のみ、2番目は……」と滔々と語る運転手さん。驚いて空いた口が塞がらないこじま。このエピソード、『ジャッジ!』に続くちくわ映画として、作品化決定ですよね?え?だれも観ない?

トム・ウェイツを聴きながら、きょうのちくわ。

年末のスーパーにはちくわの居場所が無いと嘆いたこじまでしたが、大晦日に近所のイオンにまいりましたら、何故か普段は置いてないメーカーのちくわが多数集まっていました。「イオンだけは……!イオンだけはわかってくれる……!」と大興奮して連れて帰ったのがこちら。
以前もストロングスタイルのちくわをご紹介した、長岡屋茂助さんの〈あご野焼〉  と、兵庫県のヤマサ蒲鉾さんの〈はもちく〉 。

あご野焼はすりおろし生姜と、はもちくはきゅうりの細切りを添えて。え?こじまさん、なんかおかしいですよね?

そう、このあご野焼、1本入りでこの大きさなんです。びっくりしますよね!
ことしは見通し良く太いちくわからスタート。縁起担ぎもばっちりです。