びっくりだわよ
by 児嶋佐織
こんにちは。テルミン奏者の児嶋佐織です。
月刊『かがくのとも』。
(『かがくのとも』のHPはこちら)
こどもの頃、定期購読してた!という方もおられますかね。1969年創刊、50余年の歴史ある学習絵本です。
花やいきもの、たべもの、天気など、身近な事象にまつわるかがくの有理を、やさしい絵と言葉で綴ります。
そう、ちくわも。
『月刊かがくのとも』2014年11月号「かまぼこ ちくわ さつまあげ」
あったわよ。
びっくりだわよ。
釣りに行ってきたご家族。まるまるとしたタイとイシモチが、テーブルの上のかごにたくさん並んでいます。
おとうさんが、見事な釣果を前に、「このおさかなをつかって、みんながだいすきなものをつくろう」と言っていて、こどもたちは驚きの表情。焼き魚?おさしみ?と、知っている魚の食べ方を挙げています。
みんなで魚を洗い、うろこを取って三枚におろし、スプーンで身を掻き出し水にさらし、すり潰して塩を入れて練って……。
本格的な工程が、全部人力です。おとうさんもこどもも、全力で魚の身を絞ったり、すり鉢で擦ったり。
できたすりみは三つに分けて、蒸してかまぼこ、焼いてちくわ、揚げてさつま揚げに。魚のすりみという同じ材料で、違う食品になることを学びます。
最後に「くわしい つくりかた」という補足があるのですが、塩の分量(魚肉の重さの2%)や冷却の必要性など、すごくきちんと説明がされています。
これを読んだこどもたちが、幼稚園やスイミングスクールなどで「あの弾力がたまんないよなー。そう、家で作るなら、成形してから1時間くらい寝かせてから焼いたり蒸したりしたほうが、歯応えがよくなるぜ?」なんて会話をしてるところを想像して、にこにこしてしまいますね。
かがくのとも裏表紙には、月夜に跳ねるさかな(イシモチ?)。
なんか這々の体で逃げてきました、という形相です。ちくわになるにはまだ早い!と、必死で泳いで来たんでしょうね。
ちなみに、ちくわの材料といえば、の鱈ですが、鯛やイシモチに比べてうんと深いところに住んでいるので、家族レジャーの釣りでお目にかかるのはちょっと難しそう。なので今回は、不参加でした。