ちくわはレトロニム
by 児嶋佐織
こんにちは。テルミン奏者の児嶋佐織です。
さっきたまたまテレビつけたら、「レトロニム」が話題になってました。(レトロニム:後から登場した他の物事と区別する必要が生じたために、元からあった何かに対して、後から遡って改めて付けられた言葉を言う)
例えば、携帯電話が普及したから、もともと「電話」だったのにあえて「固定電話」と呼びかえる、とか、「回らないお寿司」とかいうやつですね。
すぐ離れてしまったので、番組の内容は見てないんですけど、そういえばちくわもレトロニムなのでは……?と思ってWikipediaを参照しましたら。
竹輪(竹輪蒲鉾) ← 蒲鉾
「板蒲鉾」(現在の蒲鉾)が現れたことで区別するため「竹輪蒲鉾」と呼ばれ、略して「竹輪」となる。
ですってよ、みなさん……!
ちくわはもともと「蒲の穂」のような形状で、蒲の穂 → かまぼこ、と言われていた、という説は、デイリーちくわでも以前にご紹介しました。
レトロニムって、どんなジャンルでもなんか若干の不憫さを感じてしまうのですが、ちくわも元の名前を奪われた挙句かまぼこにマウント取られてる(個人の感想です)んですもんね。やっぱちょっと不憫。
いつか、ねりもの界のスターになる日を夢見て、きょうのちくわ。
大阪・上本町は、昭和に迷い込んだようなショッピングモールや、昔からの飲食店街があって、なんだかノスタルジーを感じさせるところ。お買い物もごはんも、お安くて個性的なお店が充実しています。
そんなレトロタウンに、超人気の揚げ物やさんがあります。
グリルやまたけさん。
とても大きな精肉店の隣に、ひっそり小さくお店を構えておられますが、お客様はひっきりなしにやってきます。
ここに、「ちくわフライ」があると聞いて、いそいそやってきたのですが……。しかし、お店の看板には、コロッケ、ミンチカツ、スコッチエッグ……とおいしそうなメニューが並ぶのに、ちくわの名前はありません。
一抹の不安を感じながら、注文する窓口にまいりましたら、
「お客様のご要望にお応えして、ちくわフライ再登場」
と貼り紙があるではないですか!!
ちくわフライの不在を嘆いた、数多くの声があったのですね。
ちくわを愛している人は大勢いる……!ひとりじゃない……!そんな感動をかみしめて食べたちくわフライ、ボリューミーで、持ち帰りの天ぷらにありがちな脂っぽさもなく、さくさくもちもち、おいしくいただきました。
これは姿を消されたら、復活してってご要望、出しちゃう。納得満足のおいしさでした。