「花形文化通信」は1989~1997年に発行していた月刊フリーペーパーの名前です。インタビューを中心に、小特集やレビューといくつかのコラムで構成したタブロイド版の新聞。自分たちがおもしろいと思うものを拾って集めて並べて、おもしろがってくれそうな人がいる場所に配りました。
100号で終刊してすぐ、カフェを開きました。連載コラムのひとつ「3分間教室」を実際にやってみたのです。カフェでレクチャーをたくさん行って、それを次々とブックレットにする計画でしたが、レクチャーは数多く開催したものの、ブックレットは1冊しか出せていません。一度にいろいろできませんでした。
その後、カフェのビルが売られて立ち退きになり、縁あって現在の場所、綿業会館に引っ越してきました。引き続きサロンは細々と続けていますが、頼まれる編集の仕事が手一杯で、独自のメディアをもたないまま、居心地のよい場所で時間が経ってしまいました。
しかし、メディアがないとせっかくいいことを見つけても伝えられません。元来がめんどくさがりなので、SNSはなかなかつきあえそうになく、情報が流れていくスピードには目がまわってしまいます。
なので、自分にちょうどいい具合のメディアを立ち上げることにしました。ついでに、昔の記事のアーカイブも進めることにして、名前も同じにしました。「花形文化通信」は通信だから、インターネットでも似合いそうです。
昔に比べると、遠くまで出かける気力も、スピード感もありません。でも、好奇心は失わないようにしたい。そして、楽しい記事をたくさん並べていきたい。
21年ぶりの復刊です。どうぞよろしくお願いします。
2018年10月
「花形文化通信」編集発行人 塚村真美