ひょうたんの品種、どれもナイスで迷う (1)「千成」

by 丸黄うりほ

 ▲「千成」は小さくて可愛い、育てやすい、入手しやすいの三強。

 

うちのマンションのベランダにはプランターがひとつあるだけです。ひょうたんには数多くの品種がありますが、苗を寄せ植えすることはできないため、栽培できるのは1年に1品種だけなのだということを昨日書きました。

1種類しか選べないとなると迷います。今日から数日間は迷いながら、ひょうたんの品種について、それぞれの魅力を紹介していくことにします。

まずは「千成(せんなり)」です。

これは、ふたつのふくらみをもち、ウエストのある、いわゆる「ひょうたん型」の小型ひょうたんです。実の大きさは、高さ10センチ程度。小さい実だと3センチくらいで、大きくても15センチは超えません。手のひらにのる、ころんとしたフォルムの愛おしさときたらたまりません。

「千成」という名前がついているだけあって1苗で1000個も成るのかというと、それはないです。植物のネーミングにありがちな盛りすぎってやつですね。でも結構たくさん実がつきます。プランター栽培でも、あまり手をかけなくても、初心者でも、たいてい実がつきます。おそらく、すべてのひょうたんのなかでいちばん育てやすい品種だと思います。

私も、初めて栽培に挑戦したひょうたんは「千成」でした。

『花形文化通信』の版元、ワークルームが北浜にあったころに開催された「ヒョウタン栽培講座」で、くじ引きで当てた「4番」の「千成」の苗。これが私にとって初めてのひょうたんでした。この苗には「ヨン様」という名前をつけました。「ヨン様」は、その年の秋に44個もの実をつけたのです。寂しかったベランダに44個のひょうたんが、ぶらぶらと…!

この喜びが、私のヒョウタン愛の始まりでした。

「千成」は育てやすいだけでなく、入手もしやすく、園芸店はもちろんホームセンターなどでも種が売られています。4月中旬から5月くらいまでは苗を入手することもできると思います。